マルティン=レーフのモチベーションの一つがわかってきた。
解析学におけるεーδ論法を完成させたカール・ワイエルシュトラスの助手は現象学の大家エトムント・フッサールだ。
しかも、ワイエルシュトラスの同僚はブラウワー以前の直観主義者、クロネッカーの直観主義のレオポルト・クロネッカーだ。
ε-δ論法における真偽判断は、現象学における志向性を持つ『判断』(judgement)相当のものを前提にして開発していると考えるのが自然。
おそらくマルティン=レーフはマルティン=レーフ・ランダムネスを定義する際にワイエルシュトラスやボルツァーノにまで立ち戻った。そして、ブレンターノ、フッサールと意外と距離が近いということに気づいたのだろうと思う。そう考えるとなんだか道が見えてくるような気がする。